2015年3月16日月曜日

Viva La Vida (Coldplay)

宗教と歴史の違い→文化的な深み
 海外に行くと、信仰と生活の密接なつながりを感じることが多いです。
 そういう意味では、この歌が単なるフランス革命を歌ったものでなく、失恋など身近な部分での「人生における諸行無常や盛者必衰」を歌っているであろうことは想像に難くありません。
 かといって、では実際にどんな情景として解釈すれば良いのかというと、これほど受け手側の自由がある曲も珍しいような気がします。
 受け手の人生の数だけそれぞれの「革命」がありますが、どんな時も「Viva La Vida(人生万歳)!」と清々しくありたいですね。
(*難解なサビの解釈は最後に記しますが、皆さんの解釈はいかに…)



(verse1)
I used to rule the world
Seas would rise when I gave the word
Now in the morning I sleep alone
Sweep the streets I used to own

I used to roll the dice
Feel the fear in my enemy's eyes
Listen as the crowd would sing
"Now the old king is dead! Long live the king!"

One minute I held the key
Next the walls were closed on me
And I discovered that my castles stand
Upon pillars of salt and pillars of sand

(chorus)
I hear Jerusalem bells a ringing
Roman Cavalry choirs are singing
Be my mirror, my sword and shield
My missionaries in a foreign field

For some reason I can't explain
Once you go there was never
Never an honest word
And that was when I ruled the world

(verse2)
It was the wicked and wild wind
Blew down the doors to let me in
Shattered windows and the sound of drums
People couldn't believe what I'd become

Revolutionaries wait
For my head on a silver plate
Just a puppet on a lonely string
Oh who would ever want to be king?

(chorus)
I hear Jerusalem bells a ringing
Roman Cavalry choirs are singing
Be my mirror, my sword and shield
My missionaries in a foreign field

For some reason I can't explain
I know Saint Peter won't call my name
Never an honest word
But that was when I ruled the world



〜解釈〜
(verse1)
かつて私は世界を支配した
私の言葉で海は割れた
けれど栄光の夜が明けた今は独りで眠り
かつて自分が支配していた道を掃除して暮らしている

かつて世界は私の思うままだった
敵は私に恐怖した
けれど群衆はこんなことを謳う
「古い王は死んだ!新国王よ永遠なれ!

天国への鍵を手にしたのも束の間
私の前の壁は閉ざされてしまった
そして私の王国は
砂上の楼閣だったのだと気付いた

(chorus)
エルサレムの鐘が鳴り
ローマの聖歌隊が歌う
かつて私を護った支持者は
どこかへ行ってしまった

何故だか理由はわからないけれど
そこに着いた途端
正直な言葉は一言も出てこなかった
私が世界を支配していた時の話だ

(verse2)
邪で荒ぶる風が
ドアを吹き倒し私を閉じ込めてしまった
破れた窓に響く太鼓の音
群衆はこんな私が王だったなんて思いもしない

革命家たちは
私の首が銀の皿に載るのを待っている
一本の糸で操られる人形にすぎないのに
嗚呼、誰が王になんてなりたいというのだ

(chorus)
エルサレムの鐘が鳴り
ローマの聖歌隊が歌う
かつて私を護った支持者は
どこかへ行ってしまった

理由はうまく説明できないけれど
聖ペテロは私の名を呼ばないだろう
正直な言葉は一言も出てこなかった
私が世界を支配していた時の話だ


〜宗教的なサビの解釈〜

 全体的に抽象的な表現が多く、意訳している部分がかなりありますが、その中でどうしても訳しきれなかったのが、サビの部分です。
 「never an honest word」=正直な言葉は一つも存在しなかった。の部分ですが、主語が主人公か、あるいは周りの人々か、どちらに取ってもそれなりに意味は通ってしまうんです。

 まず、主語が主人公だとすると、「権力を手にした途端、正直な言葉を発せられなくなってしまった(=堕落してしまった)」というニュアンスです。

 ところが、このフレーズは聖書に出てくるもので、これはフランス人のペンパルが教えてくれたのですが、それによると「イエスがエルサレムに入った時に群衆はイエスを大歓迎したが、実はそれは策略で、そのままイエスを投獄してしまう場面」とのこと。
 つまり、主人公もイエスと同じように、「権力を手にした最初は歓迎されたが、群衆に騙され嵌められた」=「僕は嵌められたんだ」というニュアンスで訳すことができます。

 歴史的、宗教的なフレーズの多い文脈から考えると後者な気がしますが、個人的には前者の方が人間味があって好みです。


〜余談〜

 このPVを観て、「フランス革命+赤いバラ」といえばもうあれしかないですよね。
 先日雪組の公演を観て、また宝塚歌劇を観に行く約束があるのですが、この状態だと次はいつになるのやら…汗。
 大切なものを失い、絶望に打ちひしがれ、悲しい歌しか歌えなくなることがあっても、再び王座に返り咲く日が来るまで、「人生万歳!」と踏ん張りたいものです。

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