2015年7月11日土曜日

Have You Never Been Mellow (Olivia Newton-John)

人生ゆっくり歩こうよ

 すみません、「ちょっと立ち止まって」スケジュール変更です。笑

 「そよ風の誘惑」という邦題を聞いた時「?」となりましたが、これほど有名な曲がすぐに出てこなかった自分が恥ずかしい限りです。
 彼女の生地はケンブリッジ(英)で、ロンドン留学中に「ブループラーク」(歴史的人物に所縁があったり、文化的に価値のある建物に付けられる青い標識。ロンドンを散歩するなら要チェック!)巡りの散歩をしていた時、散歩中に出会ったおばさんにOlivia Newton-Johnについて熱く語られたのもケンブリッジでした。笑

 日本では食に対する文化的すれ違いなどで彼女に対する好き嫌いは分かれますが、個人的には「I Honestly Love You」「Take Me Home Country Road」「Let Me Be There」そしてこの曲など、しっとりとした曲はピカイチだと思います。
 勿論アップテンポな曲にも素敵なものは多いですが、やっぱり心にグッと染み込んでくるこの曲が僕のMy Songです。

今回のヴィデオは、「この曲をかけてこんな景色を見ながらドライブをしたい!」という個人的な思い入れを込めて選びました。

(verse1)
There was a time when I was in a hurry as you are 
I was like you 
There was a day when I just had to tell my point of view 
I was like you 


(pre-chorus)
Now I don't mean to make you frown 
No, I just want you to slow down 

(chorus)
Have you never been mellow? 
Have you never tried to find a comfort from inside you? 
Have you never been happy just to hear your song? 
Have you never let someone else be strong? 

(verse2)
Running around as you do with your head up in the clouds 
I was like you 
Never had time to lay back, kick your shoes off, close your eyes 
I was like you 


(pre-chorus)
Now you're not hard to understand 
You need someone to take your hand 

(chorus)
Have you never been mellow? 
Have you never tried to find a comfort from inside you? 
Have you never been happy just to hear your song? 
Have you never let someone else be strong?


(verse1)
今のあなたみたいに人生を生き急いでいた、そんな時もあった 
昔は私もあなたと同じだったの
自分の意見ばかり言っていた、そんな日もあった
昔は私もあなたと同じだったの


(pre-chorus)
決して説教したいんじゃない
ちょっと立ち止まってほしいだけなの 

(chorus)
和やかな気持ちになったことがあるでしょう? 

心の中から安らぎを求めたことも 
思い出して、好きな歌を聴いて幸せな気持ちになったことも
忘れないで、あなたに力づけられている人がいることも

(verse2)
空想にふけりながら走り回っていた 
昔の私も今のあなたと同じだったわ
ゆったり寝転ぶことも、心の鎧を脱ぐことも

リラックスして目を閉じる時間もないよね、昔の私もそうだった 


(pre-chorus)
いまならあなたにもわかるはずよ 
その手を取って一緒に歩いてくれる人が必要だって

(chorus)
和やかな気持ちになったことがあるでしょう? 
心の中から安らぎを求めたことも 
思い出して、好きな歌を聴いて幸せな気持ちになったことも
忘れないで、あなたに力づけられている人がいることも




「そよ風の誘惑」という邦題と「意訳」

 この邦題、相当罪深いと思いませんか?
 ぱっと見「ちょっと立ち止まって、肩の力を抜いて」というメッセージのイメージが先走ってしまい「そよ風の誘惑」というイメージとはなかなか結びつきません。
 文法的に直訳してしまうと、単調で説教っぽく強い言葉になってしまいがちですので、文脈と表現の微妙なニュアンスをうまく意訳していかないとこの曲を味わうことはできません。
 この曲で注目すべき点は、一つ一つの投げかけられた言葉ではなく、それらの投げかけで紡がれる物語・コンテクストにあると思っています。(そういった視点で訳しているので、特にサビの部分は少々乱暴とも言える意訳をしました。)
 わかりやすく言えば、字面には現れない深層部分にある「それは素敵なことなのよ」「一緒に素敵な時間を過ごしましょう」という部分に気付けるかどうかです。気付いてしまえば、これほどぴったりな邦題は他にないと感動します。
 ほら、字面とのにらめっこから一歩下がってみて、ワード・センテンスから離れて、ふと彼女の「お話」にフォーカスしてみると、同じ言葉・同じ訳文でも感じ方が全然違ってきませんか?

「言葉を操る」ということ

 意訳意訳と言いますが、結局のところ、言葉はどうしても心を越えられないんです。ツールに過ぎませんから。だからこそ洋楽と向き合うのも、日本語で目の前の人と向き合うのも同じで、言葉を使った「心と心の会話」であるべきだと思います。
 普段は偉そうにやれ二項対立だ主題だと教壇で嘯いている僕ですが、現代文の読解だってきっと本質は同じですよ。

 すみません、一人で勝手に暑苦しいですね…。
 僕自身がこの力に一番乏しくて、救いきれなかった気持ちやこぼしてしまった思い、そして傷つけてしまった人がいて、自分に一番欲しいものだからこそ、なんというかポエマーっぽくなってしまいました…。
 今回は大目にみてください。笑
 日本語と英語、文化と文化、気持ちと気持ちの橋渡しが一端にできるまで、まだまだ先は長そうですが、一層精進してまいります!

 次回からもガンガンリクエスト曲を扱っていきますので、変わらぬご贔屓の程よろしく御願いいたします!

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